インプラント治療スタイルは、国際・日本口腔インプラント学会所属院長が、インプラント治療難易度や種類、医院ごと特徴・費用差がなぜ起こるか?など疑問を解説。

インプラント専門歯科のご相談は東京インプラント治療スタイル

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インプラント雑学

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東京駅とインプラント治療

歯科インプラント治療を行う歯科医院は非常に増えましたが、丸の内デンタルオフィスの東京駅周辺では、非常に多くのインプラントを扱う歯科医院があります。

それぞれ、特徴があると思いますが、八重洲で目立つのは、安価を売りにしたところの多さです。インプラントシステムによって料金が変わるシステムです。

インプラントシステムは、ノーベルバイオケアやストローマン・アストラなどは、パーツの料金は、確かに高額です。世界をリードするインプラントメーカーという立ち位置からか、製品以上の価格が付けられているように感じます。

みんなが皆お金に余裕がある訳ではないと考えると、安価なインプラントシステムでのインプラント治療の提供は理にかなっているのかもしれません。

しかし、過剰な価格競争は医療行為であることを考えると、少し怖くなってしまいます。

治療は、個体差が大きく、時間が非常にかかる場合と、スムーズにいく場合とまちまちだからです。貴方のインプラント治療がスムーズで安易なケースであれば、問題ないと考えるのは間違いです。

前後の患者さんのインプラント手術が予想を超えて難易度が高く時間がかかりすぎた場合は、貴方の手術時間に影響する可能性が出てくるからです。

過剰な予約詰め込みインプラント手術はやや怖いのです。技術料を下げるにはやはり限度があるように思います。

昔のインプラントシステム

15年ほど前は、可動式のインプラントシステムやブレードタイプやサファイヤインプラントなどいろいろなインプラントがありました。患者さんのお口の中にはいろんろなインプラントが入っているのをみた記憶があります。しかもそれなりに機能が保たれているのです。今でも、ブレードタイプのインプラントが入った患者さんのメンテナンスを行っていますが、20年ほど前のインプラントが今でも機能しています。

ブレードタイプは、今の円柱形の形状ではなく、板状なので、骨の削り方も全く違いますし、削った上の部分の骨は無いままに埋入されたんだと思います。初期固定も難しく、インプラント手術としては、難易度が今と比べると高かったのではないかと感じます。

サファイヤインプラントは、見た目プラスチックの透明な棒状の形状をしていましたが、これは、今のインプラントの形状にかなり近いです。1パーツなので、現在のチタンにHAコーティングした1ピースの安価型に進化したようなイメージです。

サファイヤインプラントは、骨吸収は起こしていましたが、これも10年位は機能していたようで、義歯にするか、まだ普及していなかったインプラントにチャレンジするかという選択の中では、10年以上義歯にならずに済んだと考えると、チャレンジしたかいがあったのかもしれません。

20年前は、まだまだコーヌスクローネやアタッチメントやリーゲルテレスコープなど(特殊義歯)全盛時代ですから、時代は義歯だったのでしょう。

しかしこのころから、ノーベルバイオケアでは、現在に近いインプラントシステムを構築できていたことを考えると、すごいなと感じてしまいますが、お値段も1本100万円とこちらも感心するレベルの金額でした。

昔のノーベルのインプラントは鏡面のチタンだった訳ですから、チタンの表面性状の進化はこの10年でずいぶん進化したことになります。鏡面でも骨とくっつくことはできたとしても、半年くらいおかないとくっつききれなかったのも事実でしょう。しかし、鏡面だと、治療後のメンテナンスでは、トラブルが少なくなる可能性も考えられます。現在の表面積の多いインプラントは粗造になっている部分に、歯周病菌が付着しはじめると、鏡面よりは進行が早まる可能性が高いのです。

骨とのくっつきの早さが求められ、どんどん早期に骨とくっつくインプラントが開発されていますが、粗造面が露出したときのリスクを基準に開発されている訳ではないように感じます。どちらかというと、露出はありえないもので、露出しないようにするにはどうするか?という議論は活発です。ある意味、露出したインプラントは失敗と判断されていると思いますが、インプラントの埋入手術では、3ミリ、4ミリと深く埋入することはなく、1mm、1.5mm深めに埋入し、薄い部分の骨吸収を前提に埋入手術を済ませる程度となってしまいます。骨の形状も平らではないので、部分的に粗造面の粘膜内への露出の可能性は、非常にあると思われます。

これからもインプラント治療は進化を続けると思いますが、成熟期に入っているのは確かですし、どのように進化の余地があるのか、それともどんどん安価なシステムが登場してくるのか楽しみです。

血液凝固とインプラント治療

血液が固まる力は、インプラント治療では非常に重要な要素となります。

血栓ができるのを防ぐために、血液をさらさらにする薬を飲んでいる方は、インプラント手術後に傷口から血液が止まらないから薬を一時的に止めることも多くみられます。

今回のお話は、もっと局部の話で、インプラント周囲の血液凝固であったり、人工骨移植時の血餅のでき方には血液によっても差がみられるということです。

最新のインプラントフィクスチャーは、それ自体が血液凝固を誘導しやすいものがでてきており、そうでないものの差がインプラントフィクスチャーの開発のポイントとなっています。

また、紫外線をフィクスチャーに照射することにより骨とのつきが良くなることの研究もみられ、インプラントの埋入が短絡的に埋めればいいというものではないことがいえます。

血液検査を行い、血液凝固が弱い方などは、採血して血液凝固能を集めたPRP技術などを応用したりするのも大変ではあるので、インプラント体自体が血液凝固の虚脱しにくいもののほうが安心安全につながるという考え方は、理にかなっているでしょう。

インプラントと骨とのインテグレーション(くっつき)が早いというのにもさまざまなタイプがあります。即時くっつくインプラントを誰しも望みますが、自然な治癒の中で、無理のない骨との接合をなるべく粘って待つのが結果的には、予後が安定しやすいように思います。

ひとりひとり個体差がある中で機械のように同じ成果が出すのは簡単ではなく、状況を考え抜くための診査・診断を十分に行い結果につなげる行為とインプラント治療を安価で多くの方に提供していくことのバランスは非常に難しいテーマなのです。

インプラントと根管治療

インプラントには、天然歯のような根管はありません。そのため、根尖部から膿んでくるような炎症は起きないことは、インプラントのメリットのひとつだといえます。歯を失う場合、虫歯で歯の神経を取り根尖から膿んでしまったり、歯が割れたりして抜歯となりインプラント治療に至るケースは非常に多くみられます。そのため抜歯に至るまでの間天然歯の根管治療に何度も治療に通った経験のある方も多いことでしょう。それにもかかわらず、再発してしまったり、くすぶったりと根管治療で悩むっことになるケースも多くみられます。なるべくであれば、インプラントしたくないとの気持ちから、自費治療であるにもかかわらず根管治療の専門医の先生のところは予約が取れない状態が続いています。

海外では、根管治療の専門医は定着しているようで、根管治療という技術にお金を惜しまない価値意識が定着しているように思います。日本では歯科医師過剰といわれていますが、専門性の高い治療には、お金を払う人がいるということを考えると、未来があるようにも思えますが、問題もあります。日本人の人口に対して歯科治療にかける金銭的価値感が低い人が多く、日本での今の根管治療専門医のレベルは日本でもトップレベルの技術を提供していると思いますが、米国での一般的根管治療専門医の料金(10~15万円)と同レベルであり、米国トップレベル(50万円)の根管治療専門医の料金レベルからはだいぶ低い料金であることを考えると、歯科技術への社会的評価がまだまだ低いのではと感じます。今でも、根管治療は、健康保険(1~3万円)で大半が行われており、その料金体系に引きずられて現在の価格評価となっているように思われます。

患者さんからすると安価で治療を受けることができるのは、結構なことだと思いますが、技術レベルが米国根管治療専門医と同じレベルの治療を、日本の健康保険の料金で提供することは不可能のように思われます。どんなに日本人が器用でも、5分の1くらいの料金では不可能だと思われます。

では、何に料金がかかってしまうのか?という疑問が生じますが、

① 時間です。マイクロスコープやルーペなどで治療を行う場合、肉眼よりはるかに多い情報を視覚より入手します。それに対応する器材を使用することで、治療精度を上げることができますが、当然時間が大幅にかかってしまいます。名人は同じ治療を素人と同じ時間で、やり遂げるということは、歯科においてはありません。精度を上げることは、操作が増えることを意味するからです。

② 滅菌です。歯科治療では、さまざまな道具を滅菌しますが、ただ滅菌すれば良いという訳ではありません。インプラント手術では、なるべくディスポでできるものはディスポを使用しますが、主な器具は何度も使用するので滅菌します。滅菌する前に血液と触れたものはタンパクを除去する操作が必要です。除去する前に、しっかりふき取ることがまず重要となるのです。滅菌は器械がするのでだれがやっても同じと思われがちですが、しっかりと行わないとすぐに錆びてしまうのです。これらの要素は、アルバイトの助手が簡単にできるという訳ではなく、熟練した歯科衛生士のスタッフでないと安心してまかせることができません。熟練したスタッフの採用と長期の雇用があってはじめて成り立つのです。

③ 術者の技術トレーニングにも、費用と時間がかかります。特殊な技術なのです。日常生活をしているだけでは、取得できません。パイロットほどではありませんが、熟練した技術の提供には、それなりのコストがかかってしまいます。

④ 場所代がかかってしまいます。ホテルでデイユースでも数千円~かかってしまうと思いますが、貴方一人に対し数人のスタッフと場所を提供して特殊技術の治療を行う訳ですから、ひとつひとつの料金の積み重ねが料金の差として表れてきます。根管治療では、個室で1.5時間かかりっきりで行われるので、それなりの費用が必要となってきます。1人で行うマッサージでも個室でもないのに、1時間6,000円くらいかかってしまいますが、特殊技術で数人がかりで行われる治療が6,000円ということは不可能です。

健康保険の1回あたりの単価は7000円くらいですから、1時間に2人は診察を行う必要がでてきますが、30分では根管治療は終わりません。説明して、麻酔をかけ、麻酔が効くのを待ち、ラバーダムをかけ、仮封を外し、とここまでで15分くらいかかりそうです。本題の処置時間が1時間くらいかかったとすると、残りの15分でまた、漏えいしないようにしっかり仮封を行い、術後の説明を行うと、1時間30分です。

30分では、どこかをはしおらなければできませんが、かなりはしおっても30分は30分です。マッサージのように、30分でも効いたとか、すっきりしたとか1時間30分もマッサージしなくてもクイックで十分という考え方もありますが、前後の準備が必要な治療において、30分で済ませるということは至難の業のように思います。根管治療は感染との戦いなのです。このような要素を御理解いただける方が増えてきているということが、根管治療の専門医が増えてきている理由のように思われます。

インプラント治療とクラスBでの滅菌

最近ヤフーの記事で歯科用タービンの滅菌の話が出ていましたが、滅菌にも種類があること、パックに入れたままでも滅菌効果のあるものと、むき出しで滅菌しないと効果がでないもの、国内基準で短時間で滅菌された高速滅菌によるもの、ヨーロッパ基準のクラス滅菌によるものなど高圧蒸気滅菌器での滅菌もさまざまな要素があります。基本的にヨーロッパ規格で世界基準の滅菌はBクラスと呼ばれる滅菌システムですが、高額なため日本ではそれほど普及していません。ただ、滅菌パックに入れたものがしっかり滅菌されるには、Bクラスが必要で、インプラント手術のように滅菌パックに入れておいてすぐに使用しないものは、Bクラス滅菌は必需品でしょう。日本で普及している滅菌器は、すぐに使用することを前提とした滅菌レベルとなるため、滅菌パックの細部の器具まで滅菌できていない可能性が残ることになりますが、丸の内デンタルオフィスでも数年前に導入したものなので、ずっとこのBクラスができている訳ではありません。ただSTATIM(これはBクラスと同等レベルの滅菌ができているという扱いを受けている)という医科で主に使用されている滅菌器を併用していたので、15年くらい前から、滅菌レベルは維持できていたのではないかと思います。

 

インプラント手術では、手術費用が高額なため、しっかり滅菌したり、ディスポを多用したりできますが、一般歯科治療の健康保険治療では、30分に1人は診察するのと、医科と違い全てが処置を伴うので、滅菌しなくてはいけないものが大量に出てきます。また、高温に耐えられないものもあり、薬液消毒しかできないものもあります(矯正の器具とか)。しかし根本的には、インプラント手術で使用する手袋は、滅菌された手袋を使用しますが、一般歯科治療で使用する手袋はひとりひとりで取り換えますが滅菌されている訳ではありません。

通常お口に入れて唾液にふれた手袋表面は、不潔域とみなすため、器具の取り扱いの清潔不潔はそこで線引きされているので、何かものを取る場合は、右手の手袋を裏返しにして裏面をだし、左手にかぶせ清潔域の手を作り出しそこで、器具を取り出し使用します。もしくは、歯科助手スタッフが付っきりで全て器具の取り出しを行う必要があります。

健康保険では、治療費を抑えられているので、並列診療(1人の先生が2台の歯科ユニットを使用し行ったり来たりする)が当たり前となっていますが、行ったり来たりする中で、手袋も外して患者さんごとに交互に取り換える必要がありますし、相当過酷な業務を強いられていると感じます。

歯科用ユニットの水道水も問題となることがありますが、エピオスなどのユニット全部の配管に低濃度の次亜塩素酸を流し、お口に届く時点での水分の清潔さをコントロールする手法もありますが、費用がずいぶんかかってしまいます。丸の内デンタルでは、米国製の歯科ユニットでタンクからユニットに水分を流すシステムがあるため、適度に使用してどうにも届かない回路の細部の細菌へのコントロールも意識しております。

これらの要素は、手間がかかり、日本では評価されることもありませんが、スウェーデンの開業医を視察に行った先生が水道水の細菌のチェックがあると15年程前に聞き、そのころから気になってしまうようになってしまいました。

 

一般の方は、手間をかければ、簡単なことで、できることのように思われると思いますが、問題は、高頻度の滅菌は器機へのダメージが大きく、タービン・エンジンなどの器具は特に痛みが早く高額な機器の寿命が短くなることです。これらの要素を考えると、健康保険でまかなおうとすると、滅菌費用に毎回1,000円ほど初診料や再診料別に負担して頂く必要があるのではないかと思います。健康保険財政では難しいのかなとも思いますが、安部首相に混合診療などで解決していただければ歯科界としてはありがたいと思うのですが。

ただ、インプラント治療の場合は、高額であるからこそ、どこの医院もしっかり滅菌できていると思います。

インプラント治療での互換性

インプラント治療では、互換性のあるものがあります。海外でインプラント手術を行い、都合により、日本に帰国されてしまうといったケースを数回経験しましたが、どれも、聞いたことのないメーカーばかりで、海外では、知らないメーカーいっぱいあるなとも感じますが、治療に必要なドライバー(ネジまわし)が日本で使用しているアストラなどのドライバーなどがそのまま使用できる形状をしていることが多くみられ非常に助かった経験と、工業製品なんだなとも感じますし、規格って意外と同じものも多いんだとも感じるようになりました。アバットメントやヒーリングキャップなどの形状はさまざまなのにドライバー形状が同じであったり、アバットメント規格が同じであったりするのはいいことでもありますが、インプラントメーカーの価格差や独自性の表現はより難しくなるのかなとも思います。

ストローマンのインプラントフイクスチャーの表面構造は最先端のように思いますが、同じ形状のインプラントフィクスチャーと比べ価格も高く、最終的な骨との結合が変わらないとすると、アドバンテージの表現も難しい時代にきているようにも感じます。治癒期間の短縮と骨との結合の速さはインプラントメーカーとしては当然研究を続けないといけない要素だと思いますが、成熟化していて劇的変化がみられにくくなっているのでしょう。これから先、工業製品のように、韓国や中国メーカーから安価なインプラントが入ってくる時代も近いかもしれません。

歯科用滅菌器の種類とインプラント

歯科用滅菌器(オートクレーブ)には、クラスN、クラスS、クラスBと3種類に分けられます。

一番いいのが、クラスBで、医科で使用される大型滅菌器の規格(EN285)に準じた滅菌ができることになりますが、歯科医院では大型の滅菌器をおくスペースもなく、そのため、クラスB滅菌ができる小型の滅菌器が作られている訳ですが、大型でできる滅菌を小型で行うので高度な技術が必要となり、滅菌器としても高額にもなります。

クラスNとクラスSでは、クラスNのほうが滅菌レベルは低くなります。残念ながら、日本で大半の普及している滅菌器はクラスNです。クラスNの基準とは包装(滅菌パックを含む)されていない固形(中空でない)器具の滅菌のみに使用することができ、滅菌後は保管せずにすぐに使用しなければならないという基準ですが、どういう意味かというと、へーベルや印象用トレー、削るバーやピンセットなどの構造が複雑でないものはしっかり滅菌可能ということを意味しています。歯科用タービンや歯科用コントラ、ハンドピース、外科用鉗子、注射筒、ピンセットなどの奥深くまでの滅菌は難しいということです。

それにくらべ、クラスSはクラスはクラスNよりは高額ですが、クラスBよりはやや安価で先ほどの歯科用タービンなどの複雑なものや多孔性のもの(手術着やオイフなど)でも滅菌器のメーカーが指定した特定の器具は滅菌可能ということで、クラスSはかなりのものがしっかり滅菌できると解釈できます。

インプラント手術の器具は中空の複雑なものも多く、すぐに使用する訳ではなく、包装(滅菌パック)されているもので保管を行うので、クラスBは必須なのかもしれませんが、歯科医院の歴史を考えると、インプラントなどの外科手術が無いころは歯周外科の手術や抜歯しか血液が出る手術はなく、複雑な形状をしているものもありませんでした。そのため、一般開業医では、必要のないものと業界的にとらえられていたのだと思います。昔は手袋ではなく素手でしたから。血液と唾液だと血液に対しては敏感でも、唾液に対しては鈍感だったように思います。内科健診でも、「舌を出して」って使うへら状のものも薬瓶にポチャっと入れて使い回しだった記憶があります。保健所で行っていた歯科検診でも同じような感じでしたが、ミラー(鏡)や短針などは健診の人数分用意されるようになりましたし、手袋も人数分用意され、唾液に対する意識が変わっていったように思います。矯正の器具などは複雑な形状で何本も1人に使用することもあり、で血液に触れることはないので、毎回滅菌する概念は難しいように思います。今現在では、素手の歯科医師はいなくなったと思いますが、矯正医は血液に触れないという安心と細かな針金の曲げがあるので、素手の時代が長かったですし、手袋になるのが遅かったように思います。

きちんと滅菌を行うことは、コストがかかることですが、歯科の治療費は20年以上前から据え置きレベルなので、毎回必要な滅菌レベルを上げていくことは大変なこととなります。モラルのように思われがちですが、健康保険のように治療費を先に決められている中でやりくりが必要な歯科界としては限界があるように思います。世界的に見て日本の健康保険での歯科治療費は格安になっているようですし、海外に転勤になる前に、海外では歯科治療費がすごく高いから日本で治して行こうという話になるようです。

仕組みとして国民に最善の医療を提供していこうというコンセプトでしたら、歯科界もどんどん進化できるのでしょうが、医療費は国民にとって給与から天引きされる負担という意識から、医療費の増大は社会問題という位置づけです。

しかし、考え方を変えれば毎年増える成長産業であり、その中でより良い医療を提供していくには、全国どこでも一律の料金でかかれるという制度では、都市部のように家賃が高額であったり、スタッフの人件費が高かったりするエリアでは、どうしたらよいのか途方にくれますが、都市部の方の方が当然このようなことには敏感な方が多く、成り立たせるためには、都市部での治療が自費診療にシフトせざるをえない仕組みが続いているように思われます。

混合診療の解禁の項目に、滅菌費を医院ごとに別途算定できる仕組みができると非常に助かる歯科医院は多くあると思います。

インプラント手術で使用した器具をすぐに滅菌して良いのか?

一般家庭では、洗剤で食器を洗い、水で流し、食器洗浄機にかければ終了といった感じでしょう。しかし、血液のようなタンパク質は凝固してこびりついてしまい、タンパク質の中に存在する細菌やウイルスのような微生物が生き残ってしまうこととなり、滅菌の効果を得ることができなくなってしまいます。

そのため、インプラント手術などで使用した器具を滅菌する前に、しっかりとした洗浄・すすぎ・消毒・乾燥させてから乾かした後、滅菌を行いますが、手術中に血液がついたところはすぐにふき取ることが、第一で、インプラント手術後は、過酸化水素などでタンパクを取り除くようにします。滅菌の効果を確かなものにするにはプロセスが必要となります。

また、濡れた器具を滅菌器にかけると、器具についた水分により、規定の滅菌温度や圧力に達しない恐れが出てくるので、しっかり乾かすという工程もバカにはできないのです。

ただ、単純に滅菌すれば、OKというものでもなく見えない微生物との戦いは意味を理解しておく必要があり、皿洗いのアルバイトのイメージでアルバイトの人がポンとやってきてハイ滅菌出来ましたという訳にはいきません。一般の方も聞いているぶんには大差ないように思われると思いますが、自分が受ける手術の場合は?と聞かれるといかがでしょうか?

クラスB滅菌器では水道水は使えないの?

日本で主に使用されているクラスN滅菌器は水道水を使えるものが多いですが、クラスBでは蒸留水や精製水または純水を使用しないといけません。滅菌器がデリケートなのです。日本の水道水は飲めるし、良質なはずだと考える方も多いと思いますが、水道水中のカルシウムや塩素によるダメージを受ける可能性があるためです。ヨーロッパ規格(EN13060)での滅菌に使用する水の水質の項目として、蒸発残留物、酸化ケイ素、鉄、カドミウム、鉛、塩化物、リン酸塩、伝導率、pH値、外観、硬度などの項目があり、これらの数値をクリアすることが求められます。

日本人は、水に恵まれた民族なので、水質にあまり気を付けることなく自然体で生きて来れているように思われますが、滅菌器は機械なので、故障の原因となる要素は排除せねばなりません。

中国のPM2.5の原因のひとつに車のガソリンの精製精度が低いことがあげられますが、安価なガソリンを作るには精製精度を落とさなくてはならないのかもしれません。日本車でもハイオク仕様、レギュラー仕様などガソリンも車のレベルで違ってしまいますが、クラスNはレギュラーでクラスSやクラスBはハイオクって感じでしょうか。

オートクレーブにインプラント器具を入れる時の注意点

オートクレーブは高圧蒸気滅菌器な訳ですから、圧をかけて高温の蒸気をあてることで、菌を死滅させるためのものです。そのためには、器具がなるべく蒸気にあたるようにすることが求められます。

器具に蒸気があたってはじめて滅菌の効果が得られるのです。どういうことかというと、器具を満員電車のようにギュウギュウに押し込むと蒸気が流れる隙間ができなくなり、蒸気があたりにくくなってしまうのです。満員電車でエアコンをかけてもらっても、ギュウギュウだと風が自分にあたらず暑くてしかたないなぁってとこでしょうか。

ギュウギュウだと高圧にもできなくなる場合もあり、滅菌精度に影響が出てしまいます。ついつい一度に多く入れたくなるのは、洗濯物なんかと同じで一回で済ませようとかこれくらいだったらとか考えれしまいますね。本当に滅菌ってデリケートな要素ですね。

インプラント手術の時も大量の滅菌しなくてはならない器具が出てくるので本当にスタッフは大変です。インプラント手術が終わって、2時間くらい時間をとって滅菌操作を行っているようです。インプラント手術開始の準備は30分くらいですが、後片付けはずいぶんかかります。インプラント手術の術前クリーニングで30分。洗浄、顔周辺の消毒、麻酔や説明などに30分、手術は1時間半ってとこですが、半日仕事ですね。インプラント手術術者は1日1人2時間で4人くらいこなせそうですが、クリニックのスタッフからすると4時間かかりなので1日2人以内のインプラント手術が妥当かな。

プリオンの滅菌ってなに?

プリオンとは、変性したタンパク質で細菌やウイルスなどではないため、オートクレーブによる滅菌や紫外線処理で殺菌がされにくく、ひとからひとへも感染してしまうということがわかっています。狂牛病が騒がれた頃、怖いなと思い、当時対処もよくわからなかったので、インプラント治療で使用していたバイオースという牛由来の人工骨の使用をやめた記憶があります。

プリオン病は、クロイツフェルト・ヤコブ病や牛のBSE(狂牛病 牛海綿脳症)として広く知られていますが、滅菌に関しては、WHO(世界保健機関)より発行されている「伝播性海綿状脳症に関する汚染除去法」というのがあります。クラスB滅菌のプリオン135モードでもプリオンは滅菌出来ているのではなく不活化はできるにとどまっているそうです。本当に強力なのですね。

しかし、基本的に歯科で感染するということは非常に考えにくく、あまり心配はいらないと思うので、あおるつもりはありません。そのつもりでお読みください。孤発性で100万人に1人というまれな病気なのです。

内側に寝ている現代人の歯とインプラント

縄文時代の顎骨と現代人の顎骨を比べたデータによると、下顎の骨自体の大きさには大きな変化がみられないのに、歯の並ぶスペース(歯列幅)は小さくなっているようです。縄文人の歯が垂直に生えているのに対し、現代人の歯は、大きく舌側に倒れているために、歯列幅が狭くなっているのです。

イメージ的には、顎が退化していると思われがちですが、顎が退化しているのではなく、歯が舌側に傾いて生えているということなのです。ただ、現代人が硬いものをあまり食べなくなっていることや咀嚼回数が減ってきていることが要因です。牛や馬のようなすり潰すようなグラインディング咀嚼が減り、歯の上下するだけの(チョッピング咀嚼)が増え、硬いものを咬む必要のなくなった歯は、内側に傾いていったということです。

ここで、インプラントとの絡みですが、大臼歯部のインプラント治療を行う場合には、縄文人のインプラント手術と現代人のインプラント手術では、現代人のほうが難しいということにもなります。元々歯が倒れているので、舌側の骨が薄く、インプラントは、歯より長いものを埋入することの多いので、舌側に傾けて埋入しないと顎骨を突き抜けるリスクが高くなるということになります。

特に7番にインプラントを埋入する場合には、より傾く可能性が高く、6番7番とインプラントを埋入する場合には6番と7番で並行にインプラントを埋入することが難しいことがあるということになります。

現代人でも、顎骨がしっかり発達した人などは、インプラント手術が容易になることが考えられ、同じ部位でも、インプラント手術に難易度に違いがみられるということになります。術者側からすると、危険な手術にならないよう短めのインプラントを埋入するとか、やや手前にいれるとかの選択になります。顎骨の骨密度も、6番と7番では、7番が柔らかいことが多く、6番と比べると7番は格段に難易度が上がっているということです。

顎のがっちりとした男性ときゃしゃな現代的女性で同じサイズのインプラントが埋入できるとは思えませんし、骨の硬さが同じとも思えません。実際違っているのです。

ただ、いいこともあります。噛む力が弱いため、インプラントに異常な力がかかるリスクは少なく、顎の筋力も弱いため、相対的には、大丈夫といえる要素があります。

現代人のリスクで気になるのは、歯ぎしり(ブラキシズム)でしょうか?現代社会の不規則さとストレスにより、歯ぎしりする率は高くなっているのです。過剰な力は、歯根膜の無いインプラントにもダメージを与える可能性が高くなるのです。

滅菌した器具が濡れているのは大丈夫?

滅菌サイクルが終了しオートクレーブから出した時に、滅菌した器具が濡れていると適切な滅菌が出来ているとはいえないようです。それは、滅菌された器具が濡れていると細菌やウイルスが取り出すときに付着し汚染されてしまう可能性があるためです。クラスB基準では、オートクレーブから取り出した時に乾燥していないと滅菌が完了したということにはならないそうです。

素人からするとオートクレーブ自体皆同じに見え、だれがやっても同じように滅菌出来る気がするかと思いますが、実際には、滅菌をしっかり完了するには、手抜きをせずマニュアル通りに行うことは重要です。マニュアルの意味をしっかりと理解し、実践するという行為は「これくらいはいっか、めんどくさいな」という気持ちとの戦いでもあり、きちんとすることが求められるのが滅菌です。

滅菌は主にスタッフが行ってくれますが、この滅菌なくしてインプラント手術は行えず、インプラント手術は、スタッフに支えられているんだなと感じさせられる要素でもあります。

インプラント治療と時間割引率

時間割引率(今を重視して、将来を犠牲にしてもいい)が高い人ほどせっかちで、近視眼的な行動を起こしやすいと考えられていますが、女性より男性の方が、時間割引率は低いそうで、将来のために我慢ができるそうです。

しかし、男女ではなく、昔と今を比べると、今の人の方が、今を我慢する力は減ってきているように思いますし、利便性の追及に走りやすくなっていると思われます。

インプラント治療では、インプラント手術後に骨とインプラントがくっ付くまでの期間を待たなくてはいけませんが、なるべくなら短い方がいいと考えるだけでなく、限界に近い水準で治療計画は進みがちです。

骨とインプラントがくっ付くには基本的に3ヶ月くらいは必要ですが、抜歯即時インプラントなどは、時間割引率に当てはめると非常に高いと言えるかもしれません。

インプラント治療において、しっかり骨とくっつくまでの期間待ち、その期間やや不自由があっても、将来的に、しっかり骨とインプラントがくっ付いてくれて、長期の予後がいいという考え方でいるほうが、長い目で見るとやはり、安心・安全なのだといえるでしょう。

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