こちらではインプラント治療期間の目安について紹介いたします。
インプラント治療は、抜歯したところにしか入れることは出来ませんから、抜歯して直ぐに入れる場合もあれば、抜いた場所に骨が再生した後から入れる場合もあります。
抜歯直後に入れる場合は、抜歯して出来た穴と、インプラントの間に隙間ができてしまうため、人工骨の使用が必要になりますが、歯肉の形が保てる場合が多く、前歯の様に高い審美性が要求される場所では、細心の注意を払ってインプラント埋入時期を選択する必要が出てきます。
しかし、あくまでも、人工骨を使用することが前提となる治療であり、天然の骨で支えれれている訳ではないため、考えようによっては、リスクを抱え込むことでもあります。
抜歯後の残った天然の骨だけで囲まれるインプラントは、ある意味骨吸収のリスクは少ないとも考えられます。
インプラント埋入後の治癒期間は、埋入するインプラントの表面性状による要素と、骨の固さによる要素と、手術する人の技術による要素の影響を受けます。
単純では、決してなく、全てがマニュアル的にはできないのです。
術前のレントゲンにより、骨の固さや形状のおおよその検討はつきますが、手術中の使用する器具によって僅かな操作の違いやその時の術者の心理によっても治癒期間は、左右されるのです。
繊細な器具の動作の積み重ねにより治癒に影響が出てしまうのです。
そのため、単純に、このメーカのインプラントは、表面性状がこういう作りになっているから治癒期間は、1か月とか3か月とかはっきりするものではありません。
そして全て人間の身体は、個体差がみられ、骨の治癒や粘膜の治癒のスピードには大きな差がみられるのは事実です。全ての要素を総合的に判断して、治癒期間が決まると考えるべきでしょう。
また、それぞれのインプラントメーカーのインプラントフィクスチャ―の表面性状は、製造過程が極秘であり、同じだとうたってあってもやはり違いがでてきます。
それぞれが競って進化していることも事実であり、メーカーにより差があるのも事実です。しかし、どんなに時間がかかるタイプのインプラントでも、6か月以内にはインテグレーションしていきます。
抜歯即時といわれるインプラントタイプは、インプラント手術時の確実な初期固定(しっかりと骨にねじ込まれたか)とねじ込みトルク値により判断されます。即座に仮の歯を入れられるとうたっている場合もありますが、粘膜の傷の治りは2週間くらいかかりますし、仮の歯は直ぐに入れられても、最終的な歯を入れるのは、時間がかかりますし、しっかりインテグレーションしたあとの方が望ましいものです。
人工骨が無かった時代では、自分の骨を他から取ってきたり、牛の骨を使用したりすることが多くありました。しかし、人工骨の進化により、前述のような骨の使用は減り、以前より楽に手術が出来るようになりました。
インプラント手術はハードルは下がってきている分、普及期に入ると、より失敗の許されない治療へと変化していきました。
技術の進化とは、予知できる要素が増えれば増えるほど、正確さが求められるのは、どの世界も同じではないでしょうか?医療では、難しいインプラント手術は15年前では、無理なのであきらめてインプラント手術はやらない方がいいでしょうと説明する歯科医師が多かったということです。
可能になるにつれて、ここまでは、守備範囲と考える医師が増えてきただけで、人体の骨や傷の治りが進化した訳ではありません。骨の治りや、傷の治りは、昔から変わらないのです。
人工骨の予知性は歴史が浅いため、確実に長年もつと保障できる人はいないでしょう。人工骨を入れた後の状態が非常に良く、自分の骨と見分けがつかないとか、硬さが保たれているとか、他にやりようがないだとかそういう要素の集合体として、権威のある先生が大丈夫ですといい、メーカーも生産し、厚生労働省も許認可しているというだけにすぎませんが、インプラント自体チタンでできており、チタンと自分の骨がくっつくという現象自体が奇跡といえば奇跡ですし、歯を失った人が、再度歯が生えてくる訳ではないので、苦肉の策としてインプラント治療は存在する訳です。
なるべくであれば、インプラント治療をおこなわなくて済むように、歯を大切にするべきですし、このような啓蒙活動を、歯科界は進めていく必要があるといえます。
長くなりましたが、人工骨の自分の骨への着きは3か月から半年くらいで同化している感触です。期間が短ければやはり硬さが不足していますが、人工骨とインプラントはどちらも異物であり、その異物同士の組み合わせで、表面の歯肉の形状を自然にみせるには、治癒期間と、その後のインプラント埋入のタイミングがそれぞれでてきてしまうため、総合的に判断して、次へのステップとしての人工骨同化の治癒期間が発生するといっていいでしょう。
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