歯科用マイクロスコープ(顕微鏡)を使用する歯科医院は非常に増えつつあります。とても素晴らしい方向に向かっているといえますが、日本の歯科治療は、ほぼ健康保険による料金体系ですので、肉眼での治療とマイクロスコープを使用して治療する場合でも料金は同じとなってしまいます。そうなると、積極的にマイクロスコープを使用しようと考える先生はいなくなってしまう訳ですが、それにもかかわらず、増えてきているということは、日本の歯科医師が良心的だといえるのではないでしょうか?
しかし、それでは宝の持ち腐れになってしまいます。難しいところです。そのような中、根管治療の専門医の先生が、根管治療を自費で行うことが増えてきました。健康保険治療の守備範囲の中の治療であるにもかかわらず、自費という概念は、厚生労働省はOKなのかな?と考えてしまいますが、増えています。治療費も10万円~20万円と海外の根管治療費の相場がそのまま適応されている感じで、一回の治療時間も1時間~2時間と長く、ラバーダムと顕微鏡と精度の違いにより、差別化されています。健康保険の根管治療の料金では、根管治療のベストを望むということは困難で、1時間半もの時間を健康保険の根管治療にかけた場合は、100%赤字です。成り立たないのです。どうして、健康保険では成り立たない金額が歯科医師に提示されているのだろうと考えてしまいますが、高額の根管治療の需要は非常に多く、順番待ちで、精度の高い根管治療を受けておられるようです。
ところで、マイクロスコープはどうして根管治療に向いているのでしょうか?
それは、一つの方向から見続ける治療であり、より拡大を必要とする治療であるからです。
マイクロスコープのセッティングは、アイドリングタイムと呼ばれる時間がどうしても必要で、歯を削る場合やインプラント治療の場合には、実際には不向きなのです。削ったりした際の形成のチェックや印象する前のチェックなどに用いるのは有効ですが、ずっと、マイクロスコープを見続けて治療を行うことは困難なのです。
インプラント手術やインプラント治療では、マイクロスコープをうたう歯科医院はありませんが、それはこのようなところからきています。治療の精度からすると、本当は使用できるのであれば使用するとよいかと思いますが、歯科用ルーペの方が適しているといえるでしょう。
じゃあ、どうして歯科用ルーペにしないのか?という話になりますが、マイクロスコープは5~20倍くらいですが、ルーペは3倍程度のものが多く、高拡大のルーペは、サージテル(米国)に限られており、低倍率はルーペ、高倍率はマイクロスコープという位置づけになってきたからだと言えます。しかし、サージテルでは、10倍のものまであり、マイクロスコープの領域に踏み込んできたといえます。向き不向きはありますが、マイクロスコープは無くなることはないでしょう。ルーペでは、やはり見えない部分があり、常時使用は困難でも、確認する際に必要性を感じることが必ず出てくるからです。
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